COLUMNコラム

明治時代に活躍した輸出業者たち

2025.04.23

明治時代に活躍した輸出業者たち

蔵春亭三保

蔵春亭久富製磁 : 明治44(1911)に久富季九郎(1862‐ 1937)によって設立された。東京高等工業学校の深海参次郎を招へいし、石炭窯を築く。有田では有田工業学校 、香蘭社のものに続いて三基目の石炭窯だった。

大正15年末に閉鎖

辻家について

辻家は、百十二代零元天皇(1663・ 1687)の頃より、禁裏御用の命を受け染付磁器を調達した窯元。
百十八代後桃園天皇(1770‐ 1779)の時代に「常陸大嫁源朝 臣愛常」を受領。明治初期まで同官職を世襲した。 明治 。大正期当主であった辻勝蔵(1870‐ 1931)は 、有田窯業界の中心人物として活躍した。

茂木・桃井月今成について

明治24(1891)年 5月 サンフランシスコ港に至1着した茂木喜太郎 (茂木桃井商会社長)は 、森村組より竹細工の簾 (す だれ)類 を買ってブルックリンで行商を始め、翌年Asbery Park,N.」で小売り店舗を借り受け、森村組 にいた新潟県人今成新一郎 と共同事業を開始。その後ア トランテ ィック市にあった島村商会Asberyに出店し (代 表者高場四郎)、 茂木今成商会と合同するも二年後に分離。

ニューヨーク市付近にて小規模 の小売店を経営。明治 29(1896)、 茂木氏は今成氏と共に、アスベリー市に於いて、アメリカ人 Frank Dorsayな る競売人 を招へいし、7月に競売業を開始。日本人競売店の嗜矢となる。二年後 の明治31(1898)年, アトランティック市において年額 1500ドルの家賃を投じて、間口 20フィー ト、奥行 き 60フィートの店舗を借り受け小川龍雄氏 (当 時太洋商工い取締役)を支配人として、富沢愛五郎を顧間として競売方面に活動した。その後茂木今成商会並びに島村組はついに卸貿易業 に転じる。

茂木喜太郎について: 慶応2年生まれ、栃木県足利郡毛野村出身。江州商人小林吟次郎 (屋号丁吟)の店員であったが、福沢諭吉の海外発展を鼓舞するのに刺激を受け、星亨と会見し、渡米を決意、明治22(1889)年渡米。ヴァンクーバーとシアトルに滞留し、その後サンフランシスコに入港し、現在の茂木桃井組を立ち上げる

『紐育 日本人発展史』大正10年紐育日本人会発行、『 在米 日本人人名事典』大正11年日米新聞社編等から抜粋

井谷善恵