BACKSTAMPS裏印
オールドノリタケには、約100種以上の多くの裏印が確認されております。これらの裏印は、オールドノリタケのいわば戸籍であり、オールドノリタケの製造年代を知る上で重要な要因になります。
オールドノリタケを収集する上で、また、オールドノリタケの知識を深める上で必要不可欠な裏印のことについて解説してみたいと思います。
オールドノリタケに裏印がある理由
同じ磁器製品の伊万里焼などは、裏印がないものが多く、裏印のない製品の製造年代を判定するにはそれなりのキャリアと知識が必要になります。対して、オールドノリタケの場合、おおよその製造年代の判定が裏印によって容易に解明でき、他の裏印のない陶磁器製品の骨董品を収集するよりも安心できると言うのも、オールドノリタケの魅力の一つと言えるでしょう。
ところで、オールドノリタケには、なぜこのように多くの裏印が使用されるようになったのでしょうか?それにはやはり理由があります。そこで、それらの理由を考えながら、オールドノリタケの製品の分類に基づいて裏印の紹介を進めてみます。
また、和食器、電気シェード・森村ドールなどの特別な製品のみに使用された裏印や、白生地製品用裏印(森村組・日本陶器が初期において白色生地を購入していたと同様、絵付けする前の白色生地だけを海外に販売しており、それらに使用した裏印)・チカラマチ印 (1920年代頃に日本陶器主税町[チカラマチ]主張所で絵付けされた製品の裏印で、いわゆる外工場用・または、外注仕入れ品に使用した裏印)など、特別な用途の製品のみに使用された裏印もあります。このように、様々な目的に合わせて多数の裏印が製品に使用されてきました。
それでは、オールドノリタケで主に使用された裏印を紹介いたします。
目次
米国向けの裏印
* RCの意味は、Royal Crockery(高級磁器)の意味。
* 中央のMはモリムラの頭文字、森村家の家紋(下り藤)を逆にし上り藤にしている。
*「NIPPON」の代わりに「MADE IN JAPAN」と記されたタイプも後年使用される。
* チャイルドセットなどの普及品に多く使用されている。
* ディナーウエアーにも使用され、表示バリエーションの違いが多い裏印。「Hand Painted」のないもの、「Japan」だけのものもある。
* 主にアールデコ風デザインの製品に使用され、M-Japan印との比較に、製品の等級差や工場の違いなどが考えられる。
* 原産地国の表示が「Japan」だけのものもある。
* 主に米国輸出向けディナーウエアーに使用、デザインのパターン名とのコンビネーションされたものが多い。
* 上り藤をリボン付きの月桂樹に変更。
英国向けの裏印
* マルキは、困難の困と言う文字を図案化したもの、中心に描いた槍で困難を打ち破り、物事が円満に収まるよう角を丸にしたと言われている。スパイダーマークとも言う。
* 下に「MADE IN JAPAN」のついたものもある。
* マルキ印英国との違いは、「MADE IN JAPAN」の原産地国の表示の間にスペースがある。「Noritake」の「K」が違う。
日本・アジア・オセアニア向けの裏印
* ヤジロベーは、バランスのとれたけ経営を意味したもの。
* 漢字の「日本陶器会社」や「Nippon Toki Kaisha」のないバリエーションもある。
* この裏印の前に、通称:初期ヤジロベー印があり、漢字の「日本陶器会社」・「Nippon Toki Kaisha」などがなく、ヤジロベーの形もすこし異なる、また、この印に対し転写印である。
* MADE IN JAPAN」・「JAPAN」がついたものものもある。